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『中央線快速』

新宿駅を出るとき

少し思い出してた

きっと言葉ひとつで

変わることもあったな

 

中野の前のカーブで

僕ら少しよろけて

よくある会話交わしたら

戻れないと気づいた

 

遅すぎたかな

遅すぎだよな

今更何を言っても

 

夕暮れ空が暗くなる頃

僕らは二度と会わなくなるんだ

同じ線路で繋がる

二人の街は何だか急に遠くに感じた

 

窓を流れる景色は

変わらないのに僕らは

いつの間にかこんなに

別のこと考えてた

 

遅すぎたかな

遅すぎだよな

苦し紛れの言葉も

 

夕暮れ空が暗くなる頃

僕らは二度と会わなくなるんだ

快速電車が走る街に

幾つか思い出今も消えずに残って

 

ドアが開くまで僕らは

お互い何も

何も言えずにいたんだ

色んなことが頭を巡った後の

「じゃあね」が胸に刺さって

刺さって刺さって刺さって…

街は明かりが灯り始めて

僕らは少し笑って別れた

たったひとつの言葉間違え

ふたつの心は脆く揺らいで壊れた

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